「快適貸し農園」って一体何だろう?
そんなふうに思われましたでしょうか?
文字通り、「快適な」「貸し農園」です。
答えになっていませんかね(笑)
そもそも「貸し農園」にする必要があったのか?
わざわざ「快適」さまで追求したのはなぜか?
当園が生まれた裏側を紹介させていただきます。
電話: 080-3645-5969(管理人直通)
受付時間 午前10時~午後6時
mail : yasai@www.vegetale5969.jp
なぜ「貸し農園」なのか? 他にいい選択肢はなかったのか?
実は、当園は不動産屋さんからよく土地売却の打診を頂きます。
正直、ここは名東区の住宅地なので、土地を売るか、建物を建てる方が儲かると思います。
なのに、なぜ「貸し農園」にしたのか?
それには3つの理由があります。
(理由1) 私たち家族にとって、この畑での野菜作りは・・・
それは、私達家族が、この畑での野菜作りを通して、たくさんのものを得たからです。
我が家の季節の風物詩は畑とともに
夏は祖父が作ったスイカにかぶりつき、
秋には飽きるほどのマクワウリ(キナウリと呼んでいました。メロンに似た風味があります。)をほおばり、
冬は秋に収穫したサツマイモを薄切りにして灯油ストーブの上に置いて焼き、おやつにつまんでいました。
(春は、祖父が冬の間に土つくりをするスタンスだったので、あまりコレ、という野菜の記憶はありません・・・。)
祖父が作ってくれた季節の野菜を日常的に食べるのが我が家の風物詩でした。
自分達で作った野菜が収穫できたらうれしいですよね。
それがおいしかったらなおさらです。
畑を通した祖父との忘れられない思い出
そして、サトウキビは今でも忘れられない私の思い出の一つです。
私が小学校6年生の頃、祖父にサトウキビを作ってほしいと頼んだことがあります。
今思えば無茶なお願いでした。
愛知県はサトウキビの生育に適した環境ではありません。
サトウキビがうまく育つ可能性は高くないです。
当時小学生の私はそんなことは全く知らず、農業経験者の祖父は分かっていたと思うのですが、
それでもホントにサトウキビを作ってくれたことがあります。
実は、1回だけです。
当然味がイマイチ(わずかに甘い程度)だったので、私も2回目はお願いできませんでしたが・・・。
でも、食べてみたい野菜を作ってもらえたことは、子供ながらに純粋に嬉しく、祖父にサトウキビを作ってもらった時から20年以上経っていますが、今でも鮮明に覚えています。
都市部にいながら身近に自然を感じることができた
私の家族と畑の思い出、まだあります。
土を触っていると、耕していると、ついつい夢中になって、時間がたつのを忘れてしまうこともよくありました。
秋の季節、夕方の時間帯は、畑でコオロギがきれいな声で鳴いているのが聞こえます。
今の子供の、
コオロギの鳴き声を聞いたことない、
身近な虫は蚊かハエかゴキブリしかいない、
そんな話を聞いた時、淋しい気持ちになりました。
日常生活の中での食育
こうした体験だけではありません。
畑で実際に野菜を作ってみることで、食べ物についての理解と感謝の心が育まれました。
野菜を育てることの大変さ、食べ物の有難さを知ることもできました。
ニンジンの生えている周囲に焼き鳥のクシを刺し、「ヨトウムシ退治」もしました。
夏、自宅から水を運ぶこと一つとっても、大変でした。
鍬を振って、畑を耕した日はクタクタになりました。
ここはそんなに大きい畑ではありません。それでも、野菜作りは大変でした。
このような経験を通して、普段自分たちが食べている野菜を作っている農家さんは、
一体どのくらい大変な思いをして野菜を作っているのかな、とも思いを馳せたこともありました。
だから、私たち家族は、自然と食べ物を粗末にすることはありませんでした。
両親からも祖父母からも、当然そう教えられてきました。
食べ物を作る大変さを身をもって知っているからこそ、です。
畑を通して日々の健康管理
まだあります。健康管理にも畑はいいんです。
祖父は、退職後、祖父のペースで(といいつつ、よく両親が手伝いに駆り出されましたが・・・)畑での野菜作りを楽しんでいました。
祖父の老後は、晴耕雨読を地で行ったような生活でした。
こうした日々の健康管理もあってか、祖父は平成18年頃(80代後半)までは介助は不要で元気そのものでしたし、90歳11か月まで長生きしてくれました。
厚生労働省より発表されている「平成22年完全生命表」によれば、男性の平均寿命は79.55歳、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」によれば、男性の健康寿命は70.42歳です(なお、健康寿命の算定については右の厚生労働省の発表より大体10年くらい長いのではないかという異論が、京都大学教育学部卒の川口雅裕氏よりされているようです。)。
厚生労働省の発表はもちろん、仮に健康寿命を厚生労働省の発表よりも長く捉える川口氏の見解に拠ったとしても、祖父は元気な期間も寿命も、日本人の平均より大幅に長かったのは間違いなさそうです。
晴耕雨読の生活スタイル、なんとなくですが憧れませんか?
・・・ここまでは、当園のホームページの冒頭から始まる、「野菜作りがいいことづくめの7つの理由」ほぼそのままです。実は、当たり前と言えば当たり前です。あちらは、私たち家族の経験を抽象化して書いただけだからです。
(理由2) 日々減少していく都市部の農地
畑での野菜作りはいいことづくめですが、
現在、全国的にも都市部の畑は減少の一途を辿っています。
名古屋市も例外ではありません。
私は、土に触れる機会があるのが当たり前と思っていましした。
ですが、私が小学生当時の栽培・園芸の授業の時間に、
多くのクラスメイトが「鍬を持ったことがない」と言っていた事実に驚きました。
そして、この畑の周りも、昔は畑や草むらでした。
2010年以降も、この畑の近くにあった畑はどんどん建物に変わってきています。
私が子供のころ以上に、今は日常の中で自然に触れる機会が減っているのです。
農地には、農地を維持する労力や後継者の問題もあります。
固定資産税の問題もあるでしょう。
こうしたことから、都市部にある農地は、
住宅地として売却する方が確実かつ容易に利益が見込めるんです。
せっかくの畑なのに。畑があると、いいこといっぱいあるのに・・・。
(理由3) 自分ばっかりでいいのかな?
私は身近に畑がある家に生まれました。
そして、野菜作りはいいことづくめ。大人になった今、改めてこのことを痛感しています。
確かに、管理が大変だとか、儲からないというのは無視できない問題だろう。
でも、果たして自分の代で畑をつぶしてしまっていいのだろうか?
無邪気な子供の時は終わり、自分が子どもを持つような世代になると、そういう思いが頭をよぎるようになりました。
都市部での農地が減少の一途を辿っている現在、
もし自分の代で畑をつぶしてしまったら、私の子どもは、孫は、
かつて私がこの畑から享受できたものは享受できなくなります。
畑での野菜作りがいいことづくめと分かっていながら、
お金のことだけを考えて畑をつぶして、
もし、自分の子どもや孫に、
「○○くんはこないだイモ堀りしたんだって! 僕もイモ掘りしてみたい!」とか、
「とれたてのキュウリにかじりついてみたい!」とか、
「本物のコオロギとかスズムシの鳴き声聴いたことあるの? いいなぁ・・・」と言われたら・・・。
子どもに、自然に、畑に触れさせてあげることができたはずなのに、それができない。
これは親として自分が恥ずかしくなるのでは、と、ふと思ったんです。
理由をまとめますと・・・
畑での野菜作りはいいことづくめです。
都市部の農地が日々減少し、身近に自然に触れる機会が減っているから、代替地はおそらくありません。
でも、将来自分の子供や孫には、野菜作りの良さを享受してほしい。
こうした思いから、この畑は畑として残すことにしました。
将来への責任を考えた時、怖くなってしまっただけかもしれません。
とはいえ、都市部でも自然に触れたいという方は少なくないでしょうし、
野菜作りのよさを自分たちだけで独占しなくてはならない理由はありません。
確かに広大な面積の農作業は本当に大変です。
ですが少ない面積であれば、大変というより、むしろ適度に体を動かすいい運動になります。
そこで、せっかく畑を残すのなら、
私達家族がこの畑から受けてきた恩恵を多くの方と共有したいと思い、
畑を区画割りし、貸し農園(市民農園)として広く開放することにしたのです。
「貸し農園」にした理由は分かっていただけましたでしょうか?
でも、「快適」にする必要はあったのでしょうか?
その疑問にもお答えします!
なぜ、「快適」なのか?
答えとしては、快適さは必要だと考えました。
だから快適さを追求しました。
なぜなら、「土だけ借りられればそれでいい!」とだけ思っていると、正直損をしてしまうのではないかとすら思ったからです。
私がお金を払って借りて野菜作りをしてみたい畑とは?
なぜ、畑をお貸しするのに快適さが必要かというと、
自分がお金を払って借りたいと思えるような貸し農園は快適であるべき、という一点に尽きるからです。
もし自分が医師で病気になったら、こういう医師に診てもらいたい。
もし自分が大工さんで家を建てるなら、こういう大工さんに家を建ててもらいたい。
普段は自分がサービスを提供している側だけれど、
もしそのサービスを受ける側に回るなら、これがいいな、というのありますよね?
こうした観点から、野菜作りをした経験に基づいて、
「畑にこれがあったらいいな」という観点から、設備を設けているんです。
というのも、畑での野菜作りをやってみると実感するのですが、困るなぁ、というのが本当にいくつもあります。
(詳しくは、当園自慢の施設をご覧ください。)
だから、利用者様から利用料としてお金を頂く以上は、
自分がお金を払ってでも野菜作りをしたい、そう思える畑をお貸ししたいです。
実は虚栄心もあったりします・・・
それに、将来私が子供たちとこんな畑で野菜作りできたら、一層楽しめるだろうな、と考えたのもありますが、
「え!? これが畑なの? すげー! カッコイイ!!」
「よく見るそこらへんの畑と全然違う!!」
そんな風に言われたいなー、という虚栄心もあったりします(笑)
でも、だからこそ、「快適」さにこだわり、
野菜作りの「オイシイところ」だけをお楽しみいただけるようにしています。
なんだかんだで、
貸し農園にしたのも、
快適な農園にしたのも、
全部私の個人的なワガママかもしれません。
そんな私のワガママからスタートした農園ではありますが、
自分たちが快適に楽しめないような畑で、利用者様が快適に楽しめるわけありません。
どの方が利用しても快適な野菜作りをお楽しみいただけるとは間違いないと思います。
農園の維持管理等のためご理解お願い致します
ただし、フェンス・水道・農具といった整備費分や、
水道代肥料代などのランニングコストを捻出する必要がどうしてもありますので、
利用料を頂くことにつきましては何卒ご容赦下さい。
野菜作りしてみてよかった! そう感じていただける農園になれましたら
この貸し農園(市民農園)Vegetale di 極楽が、
あなたの趣味の場として、
家族の会話の契機の場として、
お子様の食育に役立つ場として、
退職後の余暇を過ごされる場として、
当園があなたのよりよい生活の一助となれましたら、望外です。